第9回 効果的な勉強・学習④
- nakagami94
- 4 日前
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今回は長期記憶化に重要な要素の1つである「感情」にフォーカスをあててみます。
結構、昔の出来事でも、感情が強く伴ったときの出来事は覚えていますよね。
このように脳は喜びや驚き、恐怖など強い感情を伴うものは重要と判断し、記憶として定着するような仕組みになっています。
であるなら、覚えたい知識などをインプットする際に、強い感情を伴うような工夫をしたら長期記憶化しやすいということになります。では、どんな工夫があるか2つ紹介していきます。
達成感の演出

1つ目は達成感の演出です。つまり、小さなゴールを設定して「できた!」という喜びを感じるようにする設計です。小さな成功体験の積み重ねはインプットしたい情報・知識を覚えるだけでなく、学習を継続していくモチベーションにもつながりますから、一石二鳥です。
例えば、「クイズのような簡易な問題5問解いてみて、2回のトライで満点とる。」というようなゴールを設定してみるわけです。
特に、ゴール設定をせずにまたは設定したとしても曖昧な意識で勉強に取り組んだときと、具体的な小さなゴールを意識して取り組んだときでは、成果が変わってきます。
意識的な感情移入
2つ目は意識的な感情移入です。これは、新しい情報や知識を勉強したとき「そうか!そういうことか!」と思ってインプットするパターンが多いかと思いますが、ここで、意識的にわざと大げさに「へぇ~!!、そうなんだ!!」、「すごいな!! まじかよ!!」、「これ、めちゃくちゃ面白い~!!」というような言葉を心の中で念じたり、声に出してみてインプットする方法です。周囲に人がいない環境でしたら、念じるよりも声に出してみるのがより効果的です。

喜びや驚きといった感情を演じると、少しでも記憶が定着しやすくなります。
さらに、これに前回お話ししたファインマン法を組み合わせれば、なお良し!です。
ただし、留意点が1つあります。勉強する範囲のすべてに「喜びや驚きといった感情を演じる」と疲れてしまいますし、強い感情が平常になってしまうため、効果が逆に薄れます。したがって、この内容は絶対覚えばいといけないというような重要な知識・情報のときに、「意識的な感情移入」を行ってみるのをお勧めします。
最後に
今回は「感情」をテーマに2つほど、勉強法を紹介しました。俳優のように演じ切るとなると難易度が高いですね。ですから、最初は感嘆詞(へぇ~!!とか、ほぉ~!!とか) を小声でもいいからつぶやくようにしていけばいいかと思います。繰り返す言葉で脳は覚えるべきものだと判断してくれるので、効率的です。
次回は『「覚える」と「思い出す」』というテーマでお話をします。
プロネスティ株式会社
代表取締役 中上 博之
