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第11回 効果的な勉強・学習⑥
記憶の種類を大きく分類してみますと、3つに分けられます。それは、意味記憶、手続き記憶、エピソード記憶です。この中でMRテキストなど教科書の内容を記憶するうえでは、エピソード記憶が長期記憶化しやすいため、今回はこのエピソード記憶を中心について、話しをしていきます。 記憶の種類 本題に入る前に、記憶の3つの種類(意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶)をみておきましょう。 まず「意味記憶」とは、一般的な知識や情報・事実を頭に保持する記憶のことです。 簡単にいうと「バナナは黄色い。」とか「日本一、高い山は富士山」というようなことですが、MRテキストの内容でいうと「ミトコンドリアはATPを産生する。」とか「胃酸は壁細胞から分泌される。」といったようなことです。このようにシンプルに、ある1点に絞った内容を覚えるには何も問題ありません。 しかし、これが「ミトコンドリアは解糖系で産生されたピルビン酸を素にして、TCA回路や電子伝達系という代謝経路を使ってATPを産生する。」といったことを記憶するには、意味記憶では結構なパワーが必要になり負荷がかかりますね。 そこ
数秒前


第10回 効果的な勉強・学習⑤
今回は「覚える/思い出す」というテーマです。この2つの言葉は類似していますが、似て非なるものですね。 これまでのブログでは、長期記憶化していくのに重要なポイントを話してきました。 つまり、「覚える」という過程でのテクニカルなことを話してきたわけです。ところが、記憶できたとしていても(言い換えると、頭の中には知識・情報が保存されているとしていても)それを思い出せなかったら、意味がないですよね。 したがって、特に「思い出す」という点を中心にお話ししていきます。 フックを掛ける 誰しも「覚えているはずなのに出てこない」、「(のど元に手をやって)ここまで来ているのにわからない」ということを経験したことがあるのではないでしょうか。 これは、完全に記憶がなくなっているわけではなく、少なくとも断片的な記憶として頭の中に残っている状態です。本当は記憶があるのに、out putできないのは残念ですよね。だからこそ「思い出す」ということが重要になってきます。 さて、見出しに「フック」というワードがありますが、そもそもここでいうフックとは何でしょう? これは記憶を呼び
4 日前


第9回 効果的な勉強・学習④
今回は長期記憶化に重要な要素の1つである「感情」にフォーカスをあててみます。 結構、昔の出来事でも、感情が強く伴ったときの出来事は覚えていますよね。 このように脳は喜びや驚き、恐怖など強い感情を伴うものは重要と判断し、記憶として定着するような仕組みになっています。 であるなら、覚えたい知識などをインプットする際に、強い感情を伴うような工夫をしたら長期記憶化しやすいということになります。では、どんな工夫があるか2つ紹介していきます。 達成感の演出 1つ目は達成感の演出です。つまり、小さなゴールを設定して「できた!」という喜びを感じるようにする設計です。小さな成功体験の積み重ねはインプットしたい情報・知識を覚えるだけでなく、学習を継続していくモチベーションにもつながりますから、一石二鳥です。 例えば、「クイズのような簡易な問題5問解いてみて、2回のトライで満点とる。」というようなゴールを設定してみるわけです。 特に、ゴール設定をせずにまたは設定したとしても曖昧な意識で勉強に取り組んだときと、具体的な小さなゴールを意識して取り組んだときでは、成果が変わ
10月27日


第8回 効果的な勉強・学習③
毎日、頭の中に入ってくる情報や知識は膨大であるため、脳は重要でないと判断したものは忘れていき、重要なものから長期記憶を形成していきます。重要かどうかを判断する要素は、既にお伝えした 反復・理解・感情 があるのですが、今回は 「理解」にフォーカス をあててみます。 ここでは「理解」とは「情報や知識を既存の知識と関連づけていくこと」と定義します。 理解 力づくで脈絡もなく暗記して覚えるという方法もありますが、長期記憶化には適していません。なぜなら、表面的な記憶にとどまりやすいからです。このような情報や知識は、脳が「重要でない」と判断しやすくなるため忘れやすいといわれています。 したがって、物事の本質や関連性などを絡めて「理解」をしてインプットしていくことが重要です。 「そんな理論的というか抽象的なことはいいから、具体的に「理解」という視点からどういう勉強の仕方がお勧めなの?」という声が聞こえてきそうですね。 では、早速、具体的な方法のお話に移りましょう。 具体的な方法1(マインド マップ法) いくつかの具体的な方法がありますが、今回は2つの勉
10月20日


第7回 効果的な勉強・学習②
今回は長期記憶化していく3つのポイントのうち、「反復」にフォーカスをあててみます。わかっているけど、なかなか反復もしくは継続できないということも実際、多いのではないでしょうか。私もそのうちの1人かもしれません。しかし、それで済ましてくと、本当に何も反復できなくなってしまいか...
10月13日


第6回 効果的な勉強・学習①
効果的な学習法についての書籍は多く世に出版されていますが、学生対象のものが多いですね。内容的に学生であろうと社会人であろうと、共通する方法は多々あります。しかし一方では、理論的には「この方法がいいのはわかるけど、実際、仕事をもっている環境では…」ということもありますよね。...
10月6日


第5回 モチベーションが高まる情動
モチベーションが高まっている状態が維持できるということは、いい状態ですよね。そういう状態にするには、モチベーションに関連する情動を理解したうえで取り組むのが効率的かと思います。今回はこのような状態にしていくためのいくつかのアイデアを紹介していきます。...
9月29日


第4回 神経伝達物質からみたモチベーション
第2回のブログでは、モチベーションを内発的・外発的に分類しました。今回は切り口を変えて、 神経伝達物質からみたモチベーションの話し をしてみたいと思います。MRという職種的には興味深い視点かもしれませんね。 ドパミンとノルアドレナリン...
9月22日


第3回 モチベーションの鼓舞
今回は研修を担当する立場から、教育対象者(例えばMR)に「モチベーションを持ってもらい、また高めてもらう(以後、”モチベーションの鼓舞”という表記とします)」にはどういうことに留意していけばいいのだろう、という話をしたいと思います。 モチベーションに関わる4つのKey...
9月15日


第2回 内発的モチベーションと外発的モチベーション
今回はモチベーションを分解して考えてみましょう。 モチベーションの分類 まず、モチベーションを内発的・外発的に分類してみます。 内発的モチベーションの概念は、自分自身の興味・関心や好奇心あるいは達成感などから生じる意欲です。一方、外発的モチベーションの概念は、Award(よ...
9月8日
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