第10回 効果的な勉強・学習⑤
- nakagami94
- 数秒前
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更新日:13 分前
今回は「覚える/思い出す」というテーマです。この2つの言葉は類似していますが、似て非なるものですね。
これまでのブログでは、長期記憶化していくのに重要なポイントを話してきました。
つまり、「覚える」という過程でのテクニカルなことを話してきたわけです。ところが、記憶できたとしていても(言い換えると、頭の中には知識・情報が保存されているとしていても)それを思い出せなかったら、意味がないですよね。
したがって、特に「思い出す」という点を中心にお話ししていきます。
フックを掛ける

誰しも「覚えているはずなのに出てこない」、「(のど元に手をやって)ここまで来ているのにわからない」ということを経験したことがあるのではないでしょうか。
これは、完全に記憶がなくなっているわけではなく、少なくとも断片的な記憶として頭の中に残っている状態です。本当は記憶があるのに、out putできないのは残念ですよね。だからこそ「思い出す」ということが重要になってきます。

さて、見出しに「フック」というワードがありますが、そもそもここでいうフックとは何でしょう?
これは記憶を呼び起こすもの、つまり「思い出すトリガー」的なものです。ある言葉、音楽、匂い、言葉、映像、エピソードなど何でも結構です。思い出すきっかけとなるものであれば何でもOKです。
勉強するときに、ある知識や情報を単体でインプットするのではなく、フックとなるようなものをイメージしてインプットするようにすると、思い出しやすくなります。
具体例でいうと、擬人化してみるというのもフックとして有効です。
例えば、免疫でいうと、好中球やマクロファージ、NK細胞など、たくさんの免疫細胞が登場してきます。これを各々の免疫細胞の名称や働きを文字や発音だけでインプットするのでなく、擬人化して「好中球さん」の顔やキャラを設定して、好中球さんが「細菌くん」を退治するイメージを持つというような方法です。
点から線へ
キーワードをそのまま理屈もわからずに覚える方法は、いわゆる短期記憶としてまあまあOKかもしれませんが、長期記憶化を目指すなら、好ましくないです。既に第8回のブログでお話ししたように、マインドマップ法が点の知識から、それらがつながる線の知識としてインプットするにはお勧めの方法です。
つながりがあれば、断片的な記憶でもそれがフックとなり、思い出しやすくなります。
確認テスト

思い出すという作業を訓練するには、月並みですが、クイズ的な確認テストが有効です。
当たり前すぎて「そりゃ、そうでしょ!」という声が聞こえてきそうですが、当たり前のことを何回も確実にこなしていくことが重要です。
何回もテストをしていくことで、例えば、答えきれなかった問題の答えを見て「あっ!そうか!確かにテキストに書いてあったよな!」とか「うわ~、悔しい!! これ知っていたのに…」という感情移入が伴うため、忘れにくく思い出しやすくなります。
最後に
今回のテーマは「覚える/思い出す」でしたが、特に「思い出す」にフォーカスを当てました。覚える/思い出すはセットで鍛えることが重要であるのは言うまでもないかと思います。皆さん、個々に合った覚え方/思い出し方の鍛え方の一助になれば幸いです。
次回は、エピソード記憶についてお話しする予定です。
プロネスティ株式会社
代表取締役 中上 博之
