第8回 効果的な勉強・学習③
- nakagami94
- 10月20日
- 読了時間: 4分
更新日:10月21日
毎日、頭の中に入ってくる情報や知識は膨大であるため、脳は重要でないと判断したものは忘れていき、重要なものから長期記憶を形成していきます。重要かどうかを判断する要素は、既にお伝えした反復・理解・感情があるのですが、今回は「理解」にフォーカスをあててみます。
ここでは「理解」とは「情報や知識を既存の知識と関連づけていくこと」と定義します。
理解
力づくで脈絡もなく暗記して覚えるという方法もありますが、長期記憶化には適していません。なぜなら、表面的な記憶にとどまりやすいからです。このような情報や知識は、脳が「重要でない」と判断しやすくなるため忘れやすいといわれています。
したがって、物事の本質や関連性などを絡めて「理解」をしてインプットしていくことが重要です。
「そんな理論的というか抽象的なことはいいから、具体的に「理解」という視点からどういう勉強の仕方がお勧めなの?」という声が聞こえてきそうですね。
では、早速、具体的な方法のお話に移りましょう。
具体的な方法1(マインド マップ法)

いくつかの具体的な方法がありますが、今回は2つの勉強法を紹介します。
1つ目はマインド マップ法です。キーワードや概念を中心において、そこから情報や知識を枝状に広げていく方法です。
これをさらにリアルな勉強法に落とし込むと、「~ということは?」や「~といえば?」というような接続詞をつぶやきながら、インプットしていくことをお勧めします。どういうことかと言いますと、
例えば、「脳血管障害」を勉強するとき、脳血管障害を中心において「脳血管障害といえば?→脳梗塞と脳出血がある。」、「脳梗塞ということは、脳血管が詰まる。」、「脳血管が詰まるということは、詰まったものを除去する必要がある」、「ということは、詰まった血栓を除去する(溶かす)治療を行う」という感じです。このような接続詞をつぶやくことでつなげて考えていくと、自然とマインドマップ化できてしまいます。
つまり、関連化できて理解が深まるわけです。難しく考えないで「ということは?」というような接続詞をつぶやいて理解していくような至ってシンプルな勉強法です。
具体的な方法2(ファインマン法)

2つ目はファインマン法です。これは簡単にいうと、インプットした情報・知識を人に教えるように説明してみるという方法です。目の前に家族や同僚、友人などがいれば、直接、話しかけて教えてみてもいいですし、一人で勉強しているときは、バーチャルであたかも目の前に誰かいると イメージでその人に教えてみるのです。難しい言葉を使おうとはせず、自分の言葉で簡単に説明する感じでOKです。
この方法のメリットは記憶に残りやすいという点のほかに、本当に自分自身が理解しきれているかをチェックできるという点もあります。つまり、説明できなかった、または説明が曖昧になった部分が理解しきれてない箇所になります。
いうまでもなく、そこだけ復習したら効率的ですよね。ここで重要なのは、理解しきれなかった箇所が確認できたら、すぐにテキストを見たり調べたりして復習することです。
ちなみに、ファインマン法(またはファインマン・テクニックとも呼ばれる)はアメリカの物理学者であるRichard P. Feynman が由来です。この学習法は、彼の学習スタイルや教育哲学に基づいています。一般にファインマン法は次の4つのStepといわれていますが、1~3はぜひトライしてみて、余裕があれば4も行ってみるのがなお良しです。
1.まず、学びたい概念やキーワードを選ぶ。
2.それを子ども説明するように、簡単な言葉で書き出す。
3.説明を試みて、うまく説明できなかった箇所(理解が曖昧な箇所)を復習する。
4.説明を振り返り、比喩や例え話を使ってみる。
最後に
今回は「理解」という視点から2つの具体的な方法を紹介しました。
私自身、この2つの方法は結構使っています。特にファインマン法は効果的であると実感していますので、お勧めします。インプットとアウトプットをミックスすることは、長期記憶の基盤ですね。
次回は「感情」にフォーカスをあてたお話をします。
プロネスティ株式会社
代表取締役 中上 博之
